SAP@Hopkins
SAP・・・一般の方にとっては「何、それ?」と思われるかも知れませんが、世界最大のシェアを持つERP(Enterprise resource planning )のパッケージの名前です。そのERPってのは何かというと(実際には話はもっと面倒なのですが、平たく言うと)企業(組織)のすべての基幹業務に関する情報システムを連携・統合させるようなお化けのような巨大ソフトウェアパッケージです。たとえば、人を1人採用すると、人事部門で社員名簿を更新し、社会保険などに必要なデータを入力し、経理部門ではその人の給与の支払い、源泉徴収、社会保険や企業年金の積み立てに必要なデータを入力することになり、さらにその人が名刺が必要になれば総務でその人の名前と組織のデータが・・・といったように互いに関連のある重複した情報が必要になってきますが、それを人事は人事システム、経理は経理システム、総務は総務システム・・・と個別に管理していると、入力だけで大変ですし、どこかで更新が遅れたらデータに齟齬が出てきてしまいます。それが全部連携できるのがERPになります。実際には企業のすべての活動がこのように連携するように組まれているので、ものすごく複雑です。また、多くのERPはベストプラクティスに基づいたプロセスを持っており、導入の際にはBPR(Business process reengineering)と呼ばれるプロセスの見直しをすることになるので、現行(AsIs)業務プロセスの可視化・ToBe(あるべき・理想)プロセスの導入とIT化が行われます。
過去に某会計事務所系コンサルで会計周りのERPの仕事をしていたことがあるので、SAPのCertificateなんか持っていたりします。(かれこれ5年ほど前に現場を離れているので、昨今の状況には全くついていっていないのですが。)現在ではいわゆる大企業はには大体どこかのメーカーのERPパッケージが入っています。現在は大企業に完全に新規の導入というのはほとんど無くて、他パッケージからの乗り換え、合併などに伴うシステムの再編とかの仕事が多いかと思うのですが、各ERPメーカーはそれぞれ新規導入先を求めて大企業だけでなく中規模企業やスタートアップも市場として開拓したり・・・と試みているのですが、企業以外の組織、学校や非営利団体などへの導入というのもERPメーカーにとっては有力な新規開拓先になります。
ということで、前置きが大変長くなりましたが、HopkinsにもSAPが導入されています。病院だけでも関連病院の数を考えると、下手な企業よりも巨大組織ですし、大学としてもBaltimore/DCに広く数多くのキャンパスや研究施設を抱える総合大学ですので、導入はかなーーーり大変だったかと思うのですが、昨年から今年にかけて続々と各モジュールがカットオーバーし、一般のアドミンスタッフや大学の関係者はもちろんNurseやDrも「きぃぃーなんだこのSAPっていうのはぁ」と言いながらトレーニングを受けています。私自身もコンサルタントとしてクライアントのカットオーバーに立ち会った経験があるので、その苛立ちは良く分かります・・・が、こればかりは頑張ってもらうしかありません。
近頃職探しのために色々な人にResumeを渡すことがあるのですが、「SAPのCertificateあるなら、病院(Hopkins)で働けば?人探しているよ。」と言われたり、この前あるイベントで知り合った某大病院のHospital adminのDirectorには「うちもSAP導入するんだけど、君はMPH/MBAでSAPができるの?」とか言われたり・・・システムコンサルの仕事に戻る気はないのですが、意外なところで意外な資格が評価されることもあるのだなぁと思います。
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